books

扇野 / 山本周五郎

狩野派の絵描きである栄三郎の話 www.aozora.gr.jp 清々しい気持ちで読める。 いつの時代でも、娯楽作品の主人公というのは、チートなスキルを持っていたり、異性から妙に好かれるものだw

艷書 / 山本周五郎

こういうのが読みたかった。 山本周五郎のこういう短編は大好物だ。 www.aozora.gr.jp

白痴 / 坂口安吾

ぐいぐいと読ませる筆力はすごい。 戦時中の27才というと、年をとっている印象があるが、年相応の青さや狡さを持っていて、それが生々しく書かれていた。 ストーリーとテーマは苦手だったけれど、最後まで読んでしまったのは筆者の力によるところだろうと思…

ビジネスモデル・ナビゲーター / オリヴァー・ガスマン, カロリン・フランケンバーガー, ミハエラ・チック

ビジネスモデルを分類、カタログ化して解説している本。 本書は事業やイノベーションのアイディアを研究する本として書かれているが、プログラマーがこれを読むと違った読み方ができる。 デザインパターンはオブジェクトに役割を与えて現実の事象をシステム…

千年後の世界 / 海野十三

現代の科学を知っていれば、この作品に登場する科学技術には未熟なところが多々あるけれど、大事なのはそこではない。 矢張り、SFは、あれこれと想像を膨らませつつ読めることが楽しい。 これも手塚治虫が影響を受けてそうと思いながら読んでいた。 www.aozo…

檸檬 / 梶井基次郎

映像が目に浮かぶような描写。 作品全体を包む陰鬱な雰囲気から最後に清涼な空気を感じた。 個人的には好みではないが、読んで良かった。 www.aozora.gr.jp

粗忽評判記 / 山本周五郎

www.aozora.gr.jp 本編は運が良かっただけの話ではあるが、 ここに至るまでにも粗相を繰り返してきたのだろうし、 それでもずっと側付きなのだから憎まれない性格なのだろう。 気持ちの良い文体で軽く読めて好き。

透明人間 / H. G. ウェルズ

www.aozora.gr.jp 小気味よいテンポでストーリーが進行するため、さくさくっと読了。 どことなく手塚治虫のような雰囲気がある。 時代を考えるとその逆が正しく、手塚治虫がウェルズの影響を受けているのだろう。 『宇宙戦争』翻訳版は青空文庫作業中らしい…

「プロジェクト・ヘイル・メアリー」

Amazonレビューがとんでもなく高評価だったから気になっていた作品。 読んで納得。 説得力を持たせるための化学・科学的な正確さに強いこだわりを感じた。 単なる空想科学ではなく、ありえそうと思えるからこそ、1ページごとにわくわくする。 こだわりが強…

「長屋天一坊」「いさましい話」山本周五郎

「いさましい話」山本周五郎の作品の中でも1〜2を争う好きな話。 作品の序盤のほうで語られている「複雑な関係性」やその後のやりとり(どの時点だったのか思い出せない)から最後の展開は予測可能だった。それでもじんわりと感動してしまって、しばらく余…

「いしが奢る」「石ころ」「金五十両」山本周五郎

レビューでは酷評されていたけど「いしが奢る」は好き。 www.aozora.gr.jp www.aozora.gr.jp www.aozora.gr.jp

「城中の霜」「城を守る者」山本周五郎

www.aozora.gr.jp www.aozora.gr.jp

「葦は見ていた」「追いついた夢」「泥棒と若殿」山本周五郎

www.aozora.gr.jp www.aozora.gr.jp www.aozora.gr.jp

「狼は眠らない」

狼のような姿をした隻眼の冒険者・レカンの物語。 ほぼすべてハッピーエンドな進行。 「辺境の老騎士」と同じ作者だが、文体は異なる。 シーンごとの描写をやや丁寧にしたことや主人公以外の人物にも焦点を当てたことによって、読みごたえのある作品になって…

「青竹」「足軽奉公」「入婿十万両」山本周五郎

www.aozora.gr.jp www.aozora.gr.jp www.aozora.gr.jp

「辺境の老騎士」

辺境領の騎士を引退した老人の旅を描いたハイファンタジー。 プロットと文量をしっかりと決めて書かれてあった印象。 読みやすく、テンポが良く、一気に読了。 とても情感のある文体。 辺境の老騎士 I 作者:支援BIS KADOKAWA Amazon

悪役令嬢に恋をして

悪役令嬢に恋をして / 月野文人https://ncode.syosetu.com/n6483cy/ 2015年11月〜2016年5月まで小説家になろうに投稿されていた小説。 2017年末あたりに読んでから、5回くらい読み返している。 構成やキャラ配置がしっかりとしていて、ぐいぐい引き込まれる。…

折りたたみ北京

SFアンソロジー。 全体的に、SFというより「不思議な話」。SFには違いないけれど。 設定勝負なところが短編らしくあり、あっさりしすぎていて物足りなくもある。 折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 早川書房 Amazon

逃亡テレメトリー マーダーボット・ダイアリー

マーダーボット・ダイアリーの第4弾。 ネットワーク・エフェクト(第3弾)の前日譚であり、描ききれなかった部分を補いつつ、犯人のヒントを散りばめつつ最後まで犯人を明かさないミステリー小説として仕上げている。 上巻の時点では「ブリザベーションは…

ネットワーク・エフェクト マーダーボット・ダイアリー

マーダーボット・ダイアリーの第3弾 2話構成ではなく、1冊まるごと1話。上下巻の登場人物が再登場。 ストーリーが非常によく練られていて、最初から最後まで展開に目が離せなかった。 日記には、自分自身は冷酷な警備ユニットであると強調しているが、弊…

マーダーボット・ダイアリー

密かに自らをハッキングした人型警備ユニット“弊機”は過去の重大事件の真相を追い始める。ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞3冠! 上巻2話、下巻2話、合計4話の構成。一気に読了。 システムに関する用語がたくさん出てくるので、その方面の知識に明…

『満願』米澤穂信 短編集。『柘榴』は何かで読んだことあった。『儚い羊たちの祝宴』(の『玉野五十鈴の誉れ』)が好きすぎるせいか、脳天をどつかれる衝撃は受けなかったが、ことごとく予想を裏切られるオチには非常に満足。 『リカーシブル』米澤穂信 主人…

『64(ロクヨン)』横山秀夫 『猫は忘れない』東直己

岩明均『ヒストリエ(8)』

連載開始が2003年、2014年までに8巻しか刊行されていない。それでもファンをつかんで離さないのは、この作品の持つエネルギーに他ならない。次第に作者の右腕の状態は悪化しているとのことだが、アシスタントは使わず、作者が納得のいくまで書く。商業的には…

和月信宏『るろうに剣心ー特筆版ー 上巻』

中学生のころ、友だちからもらってきたジャンプをボロボロになるまで読んだ。ボロボロを通り越して、3〜4分割くらいにモゲていた。特に、漫☆画太郎『学校』、なにわ小吉『王様はロバ』、ジャンプ放送局は何度読みかえしたのかわからない。わずかなお小遣いは…

『幕末志士の履歴書 時代劇ではわからない意外なプロフィール』

昨年の秋ごろ、コンビニで購入。やっと読了。履歴書フォーマットを使って、軽い文体で書かれているので、パッと見てどんな人物であったのか把握しやすい。その後、2ページが活字で逸話を紹介している。第一章 幕府側、第二章 公家側、第三章 新政府側、第四章…

横山秀夫『クライマーズ・ハイ』

主人公がヒーローでも何物でもない凡庸な人間だからこそ、葛藤し、失敗し、悔やみ、また悩む。非常に泥臭い小説。 1985年、御巣鷹山に未曾有の航空機事故発生。衝立岩登攀を予定していた地元紙の遊軍記者、悠木和雅が全権デスクに任命される。一方、共に登る…

横山秀夫『臨場』

1話ごとに主人公が変わる短編だから読みやすいうえに、それぞれの主人公が"終身検査官"の異名を持つ倉石を眺めるカタチで描かれている。ドラマ化されたときには横山秀夫の作品を読んでいなかったからドラマは見なかったけれど、いまさらながらドラマをみて…

横山秀夫『震度0』

キャリア組のなかの落ちこぼれ本部長、キャリア組エリートの長官候補の警務部長、準キャリア組の正義漢の警備部長、ノンキャリア組の刑事部長、生活安全部長、交通部長。それぞれのキャラクターが生き生きと、まるで実在する人間のノンフィクションかと錯覚…

眠れないほど面白い『古事記』

古事記のあらすじを端折りながら現代人にも読みやすく書かれた本。 眠れないほど面白いわけではないが、面白いには面白い。 歴史の授業では名前だけしか習わない古事記だけれど、 手塚治虫『火の鳥』等、いろいろなマンガのモチーフに使われているからだろう…