2013-01-01から1年間の記事一覧

横山秀夫『クライマーズ・ハイ』

主人公がヒーローでも何物でもない凡庸な人間だからこそ、葛藤し、失敗し、悔やみ、また悩む。非常に泥臭い小説。 1985年、御巣鷹山に未曾有の航空機事故発生。衝立岩登攀を予定していた地元紙の遊軍記者、悠木和雅が全権デスクに任命される。一方、共に登る…

横山秀夫『臨場』

1話ごとに主人公が変わる短編だから読みやすいうえに、それぞれの主人公が"終身検査官"の異名を持つ倉石を眺めるカタチで描かれている。ドラマ化されたときには横山秀夫の作品を読んでいなかったからドラマは見なかったけれど、いまさらながらドラマをみて…

横山秀夫『震度0』

キャリア組のなかの落ちこぼれ本部長、キャリア組エリートの長官候補の警務部長、準キャリア組の正義漢の警備部長、ノンキャリア組の刑事部長、生活安全部長、交通部長。それぞれのキャラクターが生き生きと、まるで実在する人間のノンフィクションかと錯覚…

眠れないほど面白い『古事記』

古事記のあらすじを端折りながら現代人にも読みやすく書かれた本。 眠れないほど面白いわけではないが、面白いには面白い。 歴史の授業では名前だけしか習わない古事記だけれど、 手塚治虫『火の鳥』等、いろいろなマンガのモチーフに使われているからだろう…

イニシエーション・ラブ

背表紙にこんなことが書いてある。 僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて……。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説――と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は…

6/21 - 6/23

我孫子武丸『殺戮にいたる病』

サイコホラーじゃんか!グロイ!キモイ!と、何度も本を置きそうになったが、結局のところ最後まで一気に読んでしまい、しかも最後に待ち受けていた衝撃は噂にたがわぬものだった。殺戮にいたる病 (講談社文庫)作者: 我孫子武丸出版社/メーカー: 講談社発売…

東野圭吾『仮面山荘殺人事件』

事故死した婚約者の家族や親戚たちと別荘へ行くと、銀行強盗犯が侵入し、人質として自由を奪われる。そんな中、1人が殺害されるが、強盗が犯人ではなく、身内の犯行であることは明白だった。いったい誰が、どうやって、何のために・・・推理小説なはずなの…

6/15 - 6/16

エラリイ・クイーン『Yの悲劇』

前作『Xの悲劇』を未読のまま『Yの悲劇』を読んだけれど、知識が不足することなく読み進めることができた。あまりに有名な作品なので、読む前にオチを知っていたこともあるのだろうけれど。読み終わったとき、ポー『モルグ街』を読んだ時に生まれた感情に…

アガサ・クリスティー『そして誰もいなくなった』

手塚治虫が漫画の神と呼ばれるのは、彼の漫画のDNAを継承している作品が数えきれないほど存在するからだ。「この設定、どこかで見たことあるな」と思ったら、だいたい手塚治虫の作品を思い出すと既視感の答えが見つかる。『そして誰もいなくなった』もミ…

殊能将之『ハサミ男』

本屋に行くと読み切れないほどたくさんの本が平積みされていて、「○○万部突破!」とか「話題沸騰!」とか購買意欲を煽る(?)ポップが目に留まる。いちおうタイトルや表紙を眺めて、気になったものは手に取ってみるものの、うーん・・・と悩んでしまうときの…

息つく間もなく

この4週間の慌ただしさは一生記憶に残るだろう。もし総移動距離を計ったら1年分くらいあるだろうし、Googleカレンダーが分単位で刻まれていて、リマインダーのアラームが鳴りすぎてケータイの充電が切れた。字のごとく「息つく間もなく」動かねばならない…

6/9

5/3 - 5/4 - 5/5 - 5/6

4/27-4/28-4/29

米澤穂信『インシテミル』

怪しげな高給バイトに応募して、地下深くにあるシェルターのような施設「暗鬼館」で老若男女が7日間生活をして、次々と命が奪われていって……という話。純粋なクローズドサークルというより、バトルロワイヤルに似てるといえば似てる。現代版のクローズドサ…

3/20-3/24

アフタヌーン4月号

だんだん読みたい漫画が減ってきたから、四季賞PORTABLEが付録の時だけにしようか迷う。。 されど、先月からはじまった「ネメシスの杖」の続きが気になる。 「ヒストリエ」は6月まで休載。岩明均からの近況報告が掲載されていた。 言い訳はみっともないと思…

横山秀夫『動機』『深追い』『真相』

『動機』は日本推理作家協会賞の受賞作。全体的に鬱屈としていて、読後感が重い。主人公に共感を持てないせいか物語に没入することができず、途中何度も本を置いてしまった。ただただこういう作品が苦手なだけなんだけど・・・。動機 (文春文庫)作者: 横山秀…

横山秀夫『陰の季節』『顔 FACE』

『陰の季節』 D県警シリーズ第1弾。刑事モノではなく、警察の内偵を主題にした短篇集。 天下り先を辞めようとしない大物OBを説得する警務課調査官「陰の季節」お水と関係を持っている警察官がいるとの内部告発(デマ)の犯人を探す監察官「地の声」お手柄を…

横山秀夫『半落ち』

アルツハイマーが進行した妻に懇願され、手に掛けて自首した警察官。 動機や状況はすべて自供するが、犯行から殺害までの二日間のことだけは口を割らない。 このままであっても十分に起訴は可能。 しかし、現職警察官による嘱託殺人であり、速やかにマスコミ…

Wikipedia:進行中の荒らし行為/長期

Wikipediaを読みあさるのが趣味のひとつだけど、こんなページがあったなんて知らなかった。目的がわかりやすい荒らしだけじゃなくて、意図が不明な荒らしもある。 Wikipedia:進行中の荒らし行為/長期 - Wikipedia