横山秀夫『臨場』

1話ごとに主人公が変わる短編だから読みやすいうえに、それぞれの主人公が"終身検査官"の異名を持つ倉石を眺めるカタチで描かれている。ドラマ化されたときには横山秀夫の作品を読んでいなかったからドラマは見なかったけれど、いまさらながらドラマをみておけばよかったと後悔。


臨場――警察組織では、事件現場に臨み、初動捜査に当たることをいう。捜査一課調査官・倉石義男は死者からのメッセージを的確に掴み取る。誰もが自殺や病死と疑わない案件を殺人と見破り、また、殺人の見立てを「事件性なし」と覆してきた。人呼んで『終身検視官』――。組織に与せず、己の道を貫く男の生き様を、ストイックに描いた傑作警察小説集。全八編。

臨場 (光文社文庫)

臨場 (光文社文庫)