横山秀夫『クライマーズ・ハイ』

主人公がヒーローでも何物でもない凡庸な人間だからこそ、葛藤し、失敗し、悔やみ、また悩む。非常に泥臭い小説。


1985年、御巣鷹山に未曾有の航空機事故発生。衝立岩登攀を予定していた地元紙の遊軍記者、悠木和雅が全権デスクに任命される。一方、共に登る予定だった同僚は病院に搬送されていた。組織の相剋、親子の葛藤、同僚の謎めいた言葉、報道とは――。あらゆる場面で己を試され篩にかけられる、筆者渾身の傑作長編。 解説・後藤正治

クライマーズ・ハイ (文春文庫)

クライマーズ・ハイ (文春文庫)