短編集。『柘榴』は何かで読んだことあった。『儚い羊たちの祝宴』(の『玉野五十鈴の誉れ』)が好きすぎるせいか、脳天をどつかれる衝撃は受けなかったが、ことごとく予想を裏切られるオチには非常に満足。

主人公が苦手なタイプだったのと、展開が急変したあたりからトリックがわかってしまったことがちょっとだけ不満だが、読後感は悪くなかった。

帯に「えっ?そんな話になるの!きっとあなたの読みも外れ、幻惑されるはず。」と書いてあって、大層期待してしまったのが良くなかった。中盤(ほぼ序盤)にトリックがわかり、そのまま読了。。
帯に「物語に組み込まれている謎はジグソーパズルのようにゆっくり埋めていかれる。作品になった瞬間一冊の推理小説を読み終わった達成感が味わえる。」これは、その通り。伏線は、華麗に、丁寧に、埋めていかれて、とてもスッキリする。でも、トリックそのものはとても単純。
期待を持たせすぎる帯は良くない。

ミッシングピースが複数あるので、完全な推理は無理があったが、解決編の時には犯人は予想できるし、予想は当たっていたのだけど、推理小説というより読み物として好き。登場人物たちも、彼らが生きている世界も。続編がぜひ読みたい!

序盤にトリックが予想できて、話が進んでいくに連れて確信。いくつか残る疑問も2つを除いて予想通り。だからこそ、最後まで読むのが嫌で苦痛で仕方なかった。
裏切りだけはどうしても許せない。
たとえ自分のことじゃなくても。
たとえそれが正義じゃなくても。
裏切られる人の気持ちがわかるから、決して裏切りたくない。
裏切る人の気持ちはわからないし、これからもわからないだろう。わかりたくもない。