2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

横山秀夫『クライマーズ・ハイ』

主人公がヒーローでも何物でもない凡庸な人間だからこそ、葛藤し、失敗し、悔やみ、また悩む。非常に泥臭い小説。 1985年、御巣鷹山に未曾有の航空機事故発生。衝立岩登攀を予定していた地元紙の遊軍記者、悠木和雅が全権デスクに任命される。一方、共に登る…

横山秀夫『臨場』

1話ごとに主人公が変わる短編だから読みやすいうえに、それぞれの主人公が"終身検査官"の異名を持つ倉石を眺めるカタチで描かれている。ドラマ化されたときには横山秀夫の作品を読んでいなかったからドラマは見なかったけれど、いまさらながらドラマをみて…

横山秀夫『震度0』

キャリア組のなかの落ちこぼれ本部長、キャリア組エリートの長官候補の警務部長、準キャリア組の正義漢の警備部長、ノンキャリア組の刑事部長、生活安全部長、交通部長。それぞれのキャラクターが生き生きと、まるで実在する人間のノンフィクションかと錯覚…