米澤穂信『インシテミル』

怪しげな高給バイトに応募して、地下深くにあるシェルターのような施設「暗鬼館」で老若男女が7日間生活をして、次々と命が奪われていって……という話。純粋なクローズドサークルというより、バトルロワイヤルに似てるといえば似てる。

現代版のクローズドサークルとしてのゲームそのものは面白いし、時系列も配置もミッシングリンク(?)も用意されていてミステリーとして要素も与えられているし、それぞれの心理描写もそれなりに丁寧に描写されている。さすが、よねぽ。

スリードを誘発させるためのあからさまな伏線が2本。気づいているのか気づいていないのか、主人公がボケ倒しているとしか思えなくて草生えた。そのせいでなおのこと途中から何となく犯人がわかっちゃう。ミステリーとして読むというより、素直にストーリーを楽しむのが正解かな。

映画化されているらしい。まだ見てない。どうにも評判が良くないけど、たぶんそのうち見る。

インシテミル (文春文庫)

インシテミル (文春文庫)