桜庭一樹

たくさん読んだので、簡単にレビュー。

  1. 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
  2. 推定少女
  3. 少女には向かない職業
  4. 『ブルースカイ』
  5. 『赤×ピンク』
  6. ファミリーポートレイト
  7. 赤朽葉家の伝説
  8. 『私の男』

読んだ順序に並べてみて、これで正解だったなと実感。
受賞作品にはそれなりの理由があるし、それ以外の作品にも魅力的な要素がたくさんある。

『私の男』や『赤朽葉家〜』を求めて『推定少女』を読んでしまうと、がっかりする人がいるだろうし、
『砂糖菓子〜』を求めて『ファミリーポートレイト』を読むと、ストーリーの長さに飽きてしまうかも知れない。
それぞれ描かれている世界がまったく違う。

この著者は、「文字の向こう側」が目に映るように広がることと、登場人物のキャラクタ設定が魅力的であることが何よりも素晴らしい。
時折、ストーリーをメタ構造にしたり、時間軸を変化させたり、人によってはそれを難解に感じるのかも知れない。
また、ライトノベルズに対する偏見や軽蔑する意識があるだけで、純粋に楽しむことができない人がいるかも知れない。

ファミリーポートレイト』を読んでいると、アゴタ・クリストフの『悪童日記』を思い出す。
(ゲーム『MOTHER3』の原作と言われている作品)
バッドエンドが大好きな自分としては、まったく納得がいかないけれど、あのストーリー展開でのバッドエンドは許されないのかも知れない。

桜庭一樹の作品はどれも映像的な描写が強い。