噛みつかれると感染する「菌」に汚染された世界。
感染者は頭部が菌に冒され、ランナーと呼ばれる走って噛み付いてくるゾンビのような生き物に変質する。やがてクリッカーやブローバーと呼ばれる形態に変化し、宿主であるはずの人間を破壊する生き物へと変質していく。
中年の男性ジョエルは、14歳の少女エリーを指定の場所まで連れて行く運び屋の仕事を引き受け、この絶望的な世界を2人で旅をするストーリー。
ゾンビの登場するゲームは苦手だし、人間の殺傷はそれよりも苦手(MGSは常に非殺傷でプレイ)だけど、この作品は不思議と最後までプレイすることができた。
クリア直後は感情が散らかって言葉にできなかった。
泣かせる類の感動ではなくて、思考の海に深く沈みこむような感覚の感動。
以下、ネタバレを含む感想。
最後にエリーがジョエルに「誓って」と言ったことについて
ジョエルは、サラを守りきれなかった自分が許せなくて、自身を信用できないし、自信もない。過去に向き合えていないだけという自覚はある。それで『保護者としての最善』はトミーに預けることだと判断した。でもエリーが求めたのは『保護者としての最善』なんかじゃなくて、ジョエルと一緒にいることだった。そのことがあって、エリーはまたいつかジョエルは誰かに預けようとするんじゃないか、いつか自分を置いていなくなるんじゃないかと不安を抱え続けていた。
最後にエリーが聞きたかったのは、ファイアフライのことじゃなくて、これからも一緒にいてくれる?ってことだと思う。もちろん嘘を許容したわけじゃなくて、嘘だとわかったら家出をするくらいには怒るけど(でも大人になったらその嘘を理解して許せるけれど)。