人工生命SFホラー
本編について考察することは特にない。感想も特にない。
ノーキル・ノーアラート・クリア達成。
あらためてプレイしなおしてみると、METAL GEAR SOLIDの世界観に現代の技術が追いついてきて、さらに広い世代に訴求できるテーマになっている。いくつかは未来になっても追いつかないだろうから普遍性が高く、半世紀後にもプレイする人間がいる作品かもしれない。
小島監督が在籍していた当時は、FOX ENGINEを使ったリメイクに期待していた。いまとなっては、カットシーンを模倣するだけの薄いリメイクになりそうな予感がするから、リメイクは期待しないことにした。
彼が去った後に発売された『METAL GEAR SURVIVE』は、FOX ENGINEが使われているから操作性は良かったが、BGMはシリーズの音楽の使いまわし、マップは5を元に改造を加えたもの(だから時代背景の整合性がとれていない)、ストーリーはMETAL GEARとは無関係であり、テーマや主張が何もないプレーンな印象のゲームだった。
そして、彼が新たに立ち上げたコジマプロダクションの『DEATH STRANDING』は、Guerilla GamesのDecimaエンジンを使って高い表現力・操作性を実現し、世界的に有名な俳優を起用し、シーンごとに音楽を選び、いわゆる作業ゲームと揶揄されるようなサブクエスに対して中毒者が続出するようなゲーム性を持たせ、分断された世界を「つなぐ」という未来を予見したようなテーマを持っていて、すでに続編が発表されている。
これはもう才能というほかない。メタルギアは最高に好きなシリーズではあるが、将来に期待を持てない最大の理由は「制作に関わる人間」の違いだ。
PS4/PS5でプレイしたいから結局は買ってしまったが、単純なHD化による再販でも売り物になるのは、2024年現在でも通用するくらい原作のクオリティーが高いからだ。でも、このレベルを求めるのは酷なのかもしれないとも思う。
ぐいぐいと読ませる筆力はすごい。
戦時中の27才というと、年をとっている印象があるが、年相応の青さや狡さを持っていて、それが生々しく書かれていた。
ストーリーとテーマは苦手だったけれど、最後まで読んでしまったのは筆者の力によるところだろうと思う。
ビジネスモデルを分類、カタログ化して解説している本。
本書は事業やイノベーションのアイディアを研究する本として書かれているが、プログラマーがこれを読むと違った読み方ができる。
デザインパターンはオブジェクトに役割を与えて現実の事象をシステム化するが、それと同様に、ビジネスモデルを「データフロー」として捉えると、現実のシステムを高度化できるアイディアに繋がる。
時間があればこのテーマをもうすこし研究したい。
この本の序論として、かつて世界を席巻したはずの企業たちが安穏とあぐらをかいているうちに後続によって追いやられ、消滅してしまったことについて触れられている。イノベーションの重要性を説く文脈ではあるが、そこに列挙された企業たちのビジネスモデルと欠点や欠陥を知ることの重要さにも気をつけたい。
ITシステムも同様であり、レガシーをそのまま運用しつづけることにはメリットがありデメリットがある。一様にレガシーは悪とするのは思考停止であり、システムごとに判断しなければならない。利用者や運用者の意見を踏まえて要件・仕様を考え、経営者が判断できるように数字的な根拠を示すことがシステム屋に求められているはずだ。
システムだけではなく、技術についてもこの話は適用でき、栄枯盛衰がある。プラットフォームや用途ごとに主流の言語が異なるが、長らく特定の環境下において寡占状態だった言語でさえ、ゆるやかに死を迎えている。
日本語という自然言語でさえ、たった100年前の文字を読むには古文の知識が必要になる。
言語も技術もプラットフォームもシステムもビジネスモデルも生き物。この循環は変わることはない。
余談
これより古い年度のリンクがみつからなかったから2010年版を貼るが、手元には「2006年版 図解 業界地図が一目でわかる本」「2006年版 図解 世界の業界地図が一目でわかる本」の2冊があって、当時の国内企業・海外企業のシェアや資本・業務提携が業種ごとにまとめられていて、有名な上場企業、巨大な非上場企業たちを知るきっかけになった。
それにしても18年という歳月でここまで世界が変わるのかと驚くほどに、イノベーションの起きていない業種などない。
今になって読み返すと、すでに消滅した企業、シェアを大きく落とした企業、提携関係が変化した企業がたくさんあって興味深い。個々のビジネスモデルについては書かれていないが、ビジネスモデル・ナビゲーターの序論にかかれているように「これらの企業は自社を取り巻く環境の変化にビジネスモデルを適用できなかった」が結論だと思う。
それは業種という大きな単位ではなく、身の回りすべてに同じことが言える。