何者(2016)

端的に言うならば「就活」に足掻く青年たちを描いた映画。

これも原作は読んだことがない。

ウワサには聞いていたけど、現代の就活ってこんな感じなのね、生きづらい世の中だよね、と思った次第。

映画が終わった直後は「え。どうしてこれを映画にしたの?」と思って、しばらくポカーンとしたのだけれど、数日経ってからもところどころ腹が立ってくる(要するに思い出す)わけだから、それなりに練られた話なのだろう。

「やりたいこと」と仕事は別だという考え方、「経験したこと」をそのまま仕事に活かせるという考え方、そのあたりがどうしても相いれない。

やりたいことをやればいい(できるように環境をつくっていけばいい)。会社だろうが、独立だろうが、カタチなんて人それぞれだ。どんなにカタチを気にしても、中身が空っぽだったら、続けられない。つくることより続けることのほうがずっとずっと難しくて大変だ。そして、諦めること、壊すことは、簡単だ。それなりの代償は覚悟しなければならないけれど。

経験したことは、そのまま活かせなくとも、思わぬときに活きてくる(だからこそ、何でも経験すればいい)。勝ちだの負けだの他人に評価を任せてないで、自分で決めればいい。他人が評価をするのは、何日後なのか、何カ月後なのか、何年後なのか。いつまで待つつもりなのか。待てるのか。他人のせいにする理由を後生大事に残しているようでは、幸運に恵まれない限り道はない。他人に期待していないで、自分で切り開けばいい。つくるだけならば、決して難しくないのだから。

本気になったことがある人間を描いて、どうしてそんなに「やすい」話になるのか。とにかく腹が立つ。