Story Seller シリーズのミステリー版。
短編とはいえ8本ものミステリーを約580ページの文庫本に詰め込むというのは、
おもしろい試みだったと思うんだけど、全体的に完成度が・・・。
島田壮司『進々堂世界一周 戻り橋と悲願花』
140ページも割いているだけあって、それなり。
思想の偏りが目について残念だった。
安孫子武丸『夏に消えた少女』
ミスリードさせてからの、鮮やかなどんでん返し。
この本の中では、最も輝いてる作品じゃないかと。
竹本健治『怖い映像』
CMのワンシーンに身が凍り、原因を探る旅に出て失くした記憶に辿りつく。
なんとなく好感を持てる主人公だった。
北川歩実『確かなつながり』
前妻との娘を誘拐された医師。誘拐犯とは旧知の仲。
最後の最後での若干のひねりが絶妙。
長江俊和『杜の囚人』
ビデオ映像の断片を見ているような感覚。
映像作家ならでは、なのかも。
麻耶雄嵩『失くした御守』
失くした大切な御守を探すうちに、心中に見せかけた殺人事件の真相を知る。
言葉遣いの間違いが気になって仕方なかったし、オチも緩くて残念だった。
- 作者: 新潮社ミステリーセラー編集部
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/01/28
- メディア: 文庫
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