HEAVY RAIN -心の軋むとき-

評価:★★★★☆

近所に「男のDVD」と、わけのわからないことが書いてある のぼり が立っている怪しいゲーム屋さん(?)があり、いま住んでいるクソみたいなこの建物から歩いて2分という距離のために足繁く通っている。入口手前のブースにはゲームが売られている。暖簾の奥には、くだんの「男のDVD」が売られているであろう禍々しいオーラを放つ空間が広がっている。前に住んでいた札幌のアパートの近所(そちらも歩いて3分だった)にも「SPOT」という怪しい本屋さん(?)があったのだが、最後まで暖簾の奥に足を踏み入れることなく引越しをしてしまった。こちらに住んでいるうちに、男のDVDが売られている未知のエリアに一度は足を踏み入れてみようと思う。

そこでは中古のゲームの販売・買取をしているのだが、目立たない場所にぽつんと「新入荷!」と書かれたコーナーがあり、いくつかの新品が売られていて、そこに本作「HEAVY RAIN -心の軋むとき-」が置かれていた。

表ジャケットがカラーコピーしてある。裏ジャケットはコピーされていない。コンビニへ行くついでに寄っただけだからケータイを持ってこなかった。どんなゲームなのかまったくわからない。でもまあ「2010年ゲームデザイナーズ大賞」と書かれている。価格も¥3,000以下だし、安い。→ジャケ買い


説明書を読んでみると、いわゆる「アドベンチャー」らしい。ADVといえば「かまいたちの夜」以来だ。安心してダラダラとプレイできる感じかな、とか思いながらスタート。

いきなり、おっさんのパンツ姿のムービーが流れる。なんだこれwwwwと草を生やしたくなるくらい、半ば馬鹿にしながら、この時は選択肢を選ぶだけの紙芝居ゲームを想像していた。……ぜんぜん想像と違った。三人称視点で主人公を動かし、特殊なコントローラ操作をしながら、あちらこちらに用意されている仕掛けを解いていく。PlayStation(TM) MoveというWiiのコントローラーっぽいものがあるらしく、それを使うと、よりリアルに行動するらしい。ゲームの進化ってすごいなと感服した。

10時間くらいで1周できる。特殊なコントローラー操作に戸惑うものの、そのうち慣れてくる。サスペンス映画の主人公を自分で操作する、というくらいの没入感。チャプターごとに操作できる人物が異なり、事件解決への材料を集めていくプロセスも面白い。この手のゲームはシナリオが命だと思われるので、細かいことは書かないけど、シナリオも良い。


建築士(デザイナー?)の仕事も順調、愛する妻と二人の息子に恵まれ、順風満帆な生活を送る主人公。ところが、ショッピングモールでの不幸な事故が幸せな生活を一変させてしまう。父親を見つけて道路に飛び出した長男を助けようと主人公は道路に飛び出し、昏睡状態に陥る。半年後に意識を取り戻したものの、その事故により長男を亡くしたことを知る。

主人公は愛する息子を亡くした失意から立ち上がることができず、仕事、残された家族、あらゆる関心を失い、妻とは別居状態に。また、事故の影響から、気がつくと見知らぬ場所にいて、その間に自分が何をしていたかわからない、という記憶障害を患っていた。残された次男は父と母との間を行き来しながら生活をしていたが、父親が記憶を失っている間に失踪してしてしまう。

その頃、「折紙殺人鬼」と呼ばれるシリアルキラーが世間を騒がせていた。10歳前後の少年を誘拐し、溺死させ、死体に折り紙を握らせ、蘭の花を胸の上に置き、空き地に遺棄する。暴行の痕跡はない。警察も躍起になって犯人を追うが、犯人への手がかりさえ掴めないまま、8名もの犠牲者を出していた。

失踪前、主人公のもとに犯人からと思われる怪文書が届いていた。主人公は次男が折紙殺人事件に巻き込まれたことを確信し、残された最愛の次男を救うことを決意する――

感想

ところどころ伏線回収に失敗し、コントローラー操作も失敗したせいだろうか、主人公級のキャラクターが死亡したり、話が飛躍していきなりベッドシーンを迎えたことになっていたり、正直ビビった。

先ほど1周目のプレイが終わったばかり。やり残したことがいっぱいある。この手のゲームって、マルチエンディングなのかな。他のエンディングも見てみたいな。