アフタヌーン7月号

付録の「四季賞PORTABLE」に掲載されている佑来那津「夜に彩雲」がすごい。もちろん四季大賞も四季賞もいい作品なのだけども、今回の受賞作の中では佑来さんの漫画がもっとも好きな作品だった。

駆け出しの小説家の主人公のお隣に、偶然、幼馴染の姉妹が引越して来て……、というストーリーなのだけれど、単に恋愛に主軸を置いた話ではなく、姉妹の過去と現在(と、これから?)の話。

姉が16才の時に父が他界し、それまで「普通」だった母親がたびたびヒステリーを起こすようになり、10才離れた妹がDVによって軽度の発育障害になる。感情が二極化して、授業にもついていけなくなり、体つきも言葉遣いもすこしだけ幼いところがある。そして4年前、ある事件をきっかけに母親が精神病院の入退院を繰り返すようになり、以降は姉が妹を養って生活をしていた。

と、書くだけで胃もたれしてしまいそうなテーマだけど、単なる不幸話でもない。

姉妹が主人公の隣に引っ越してきたことによって、妹が成長していき、幼馴染の姉とは成長を見守りながらいい雰囲気になっていって、読後はとっても爽やかな気持ちになる。

そんなこんなで、すでに4回くらい読み直したw 次作はどんな話を描くのだろう。無事にデビューしてほしいな。

月刊 アフタヌーン 2012年 07月号 [雑誌]

月刊 アフタヌーン 2012年 07月号 [雑誌]