コンテイジョン

未知のウィルス感染拡大の群像劇。

都合よく話が展開していくから意外性はない。2021年にこのストーリーが必要とされていたのだろう。ワクチンが銀の弾丸として扱われているが、決してそんなことはない。インフルエンザでわかっているはずなのに、当時はそれに縋りたかったのかも知れない。

アメリカでは集団ヒステリーによる暴動が起こるシーンがあるが、暴動に発展することは非常に稀であり、現実にはもっと理性的に秩序を保って行動している。

映画では配給が遅れたことによって暴動が発生しながらも、それを鎮圧する軍や研究者たちはなぜか食料問題を抱えていない。しかし彼らも人間であり、生きていくためには食べ物が必要。基本的なことに目を背けてしまうから全体的にぼんやりとしてリアリティーの乏しさに繋がってしまう。