はるこ少女期 / ichi

http://catastrophe.dokkoisho.com/

全21話+エピローグ(※1話あたりのページ数はまちまち)。第二話の途中くらいまで読んで、あまりにも暗く重たくて放置していたが、その先が本番。丁寧に物語が組み上げられていて、どんどんひきこまれていく。そして、ところどころに涙を誘うシーンが盛り込まれている。これも立て続けに3回、繰り返し読んだ。とても好きな物語。

ETIは見ていた / 佐々木するめ

http://nanos.jp/eettii/

全30話。「信じられないかもしれませんが、これは至って真面目なSFラブコメです」との作者コメントの通り、とても繊細な、切なくなるお話。1回では気づかないほど細かい伏線がひかれていて、読み返したときにいくつか気づいたけれど、まだいくつか見落としていそう。立て続けに3回も読んでしまった。いつかまた読み返すと思う。

ヒミズ(2012)

(おそらく河川敷に勝手に小屋を建てて生活していると思われる)ボート屋を営む母親が男と蒸発。主人公は中学生にして一人暮らしになる。借金を抱え、たまに金の無心に来ては、意図的に傷つける言葉を吐く父親を・・・。と、文字にするだけでも陰鬱な気持ちになるような話。

原作を知らずに映画だけを見たら、すごくいい映画なのかも知れない。

原作との設定やテーマの違いに戸惑ってしまった。

ヒミズ

ヒミズ


原作は全巻を持っている。稲中の作者としてギャグ漫画家のイメージが強い古谷実だが、それまでの作風から一変してギャグを封印して描かれている。ヒミズは、彼の作品の中で最も暗く重苦しい。

ヒミズ コミック 全4巻 完結セット (ヤンマガKC )

ヒミズ コミック 全4巻 完結セット (ヤンマガKC )

いん

夕陽のガンマン(1965)

2人の賞金稼ぎがギャングを狙うマカロニ・ウェスタン

「荒野の用心棒」より楽しめた。

それにしても、英題 "For a Few Dollars More" か・・・

おやすみプンプン

平凡な少年・プン山プンプンの成長を描いた話。登場する周囲の人たちがとにかくエキセントリック。

小学〜中学時代までは、リアルタイムで読んでいた。運命の人・田中愛子が転校してきて、彼女との約束を破るあたりまで。

青年期以降を一気に読んだのだが、ひどく落ち込む話の連続。特に最後の2巻は息が詰まった。

読むのをやめるか悩みながら、乗りかかった船から降りるのが嫌でとにかく読んだが、読まなくてもよかった。

人は幸せなときは、不幸せを見たがる。不幸せなときは、幸せを見たがる。バランスをとるための本能なのか。

金メダル男(2016)

内村光良」という人間のパラレルワールドを描いたような話。

気楽に、たのしく、ところどころ軽く笑えることができる映画。

パティシエが練りに練ってつくり上げたスイーツではなくて、スナックのように気取らずに食べられるお菓子。

落ち込んだ気分のとき、こういう映画もとても大事なんだなって思う。

何者(2016)

端的に言うならば「就活」に足掻く青年たちを描いた映画。

これも原作は読んだことがない。

ウワサには聞いていたけど、現代の就活ってこんな感じなのね、生きづらい世の中だよね、と思った次第。

映画が終わった直後は「え。どうしてこれを映画にしたの?」と思って、しばらくポカーンとしたのだけれど、数日経ってからもところどころ腹が立ってくる(要するに思い出す)わけだから、それなりに練られた話なのだろう。

「やりたいこと」と仕事は別だという考え方、「経験したこと」をそのまま仕事に活かせるという考え方、そのあたりがどうしても相いれない。

やりたいことをやればいい(できるように環境をつくっていけばいい)。会社だろうが、独立だろうが、カタチなんて人それぞれだ。どんなにカタチを気にしても、中身が空っぽだったら、続けられない。つくることより続けることのほうがずっとずっと難しくて大変だ。そして、諦めること、壊すことは、簡単だ。それなりの代償は覚悟しなければならないけれど。

経験したことは、そのまま活かせなくとも、思わぬときに活きてくる(だからこそ、何でも経験すればいい)。勝ちだの負けだの他人に評価を任せてないで、自分で決めればいい。他人が評価をするのは、何日後なのか、何カ月後なのか、何年後なのか。いつまで待つつもりなのか。待てるのか。他人のせいにする理由を後生大事に残しているようでは、幸運に恵まれない限り道はない。他人に期待していないで、自分で切り開けばいい。つくるだけならば、決して難しくないのだから。

本気になったことがある人間を描いて、どうしてそんなに「やすい」話になるのか。とにかく腹が立つ。